SOLD OUT
森澤友一朗=訳
ルリユール叢書
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十二月十四日このかた、おれの眠りはいつだってこの轟音のまっさなかだ。おれはこの頭の中に戦争を捕まえたんだ。そいつはいまだってこの頭の中に閉じ込めてある。
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20世紀のスキャンダル作家セリーヌの死後60年の時を経て発見され、「21世紀の文学史的事件」と国内外で話題を呼んだ幻の草稿群のひとつ、『戦争』――『夜の果てへの旅』に続いて執筆された未発表作品にして、第一次大戦下の剥き出しの生を錯乱の文体で描き出した自伝的戦争小説が本邦初訳で登場!
セリーヌは計り知れない、けた違いの知性と魅力を持った作家であり、他の何者とも比較を絶する。[…]災難の憂いを吹き飛ばす、あの現代的で燃え上がるような音調、心の底からの悲痛、肩をすくめるような態度とそれに続く笑い。彼はあのトロツキーさえをも、笑い、泣かせたのだから。――ジャック・ケルアック
セリーヌは二十年の間、断罪、軽蔑された者らの一味として、歴史のゴミ箱に放り込まれ、罪人の中の罪人であり続けてきた。周りの者たちが皆、沈黙を強いられるなか、彼だけが唯一、この例外的な経験に声を与えてきたのである、虚飾を完全に剥奪された生の経験というものに。
――ミラン・クンデラ
セリーヌは物事を挑発という領野に移し替えるのだが、これはいまやきわめて重要なことであろう。というのも今日、芸術家は実にしばしば、政治家や戦略家に成り果ててしまい、もはや出来事を生理的なやり方で摑み取る存在ではなくなってしまったからだ。ところがセリーヌは医師でもあった、彼はその場で診断を下し、たちまち物語を吐き出す(ゴットフリート・ベンは彼を「嘔吐屋」と呼んだ)、彼は生理的なやり方で文学を行う医師なのである。
――フランク・カストルフ
■著者略歴
ルイ゠フェルディナン・セリーヌ(Louis-Ferdinand Céline 1894–1961)
フランスの作家・医師。パリ郊外で医業に携わるなか、俗語・卑語を駆使したデビュー作『夜の果てへの旅』で圧倒的反響を巻き起こした。第二次大戦にあたっては、激越な反ユダヤ主義パンフレットを書き連ねたため、終戦間際にデンマークへ亡命、現地にて逮捕、収監された。大赦を得ての帰国後は、パリ郊外ムードンに居を構え、亡命行を主題とした三部作などでフランス語の構文を破砕する言語実験を推し進めた。死後も現在に至るまで、その文学的達成と反ユダヤ主義言説との関係が国内外で度々スキャンダラスな議論を巻き起こし続けている。
■訳者略歴
森澤友一朗(もりさわ・ゆういちろう)
1984年、岡山県生まれ。翻訳者。劇団解体社所属、パフォーマー・文芸・制作。東京大学文学部フランス語学フランス文学専攻課程卒。劇団では過去に「セリーヌの世紀」と題して、訳し下ろしたセリーヌのパンフレや小説を題材とした連作を国際プロジェクトとして展開。
■目次
編集についての注記――パスカル・フーシェによる
戦争
註
ルイ゠フェルディナン・セリーヌ[1894–1961]年譜
訳者解題
■書誌情報
判型/総ページ 四六変上製/272ページ
刊行年月 2023年11月
ISBN 978-4-86488-288-0