真に革新的なのは、新しいジャンルを生み出すこと、
諸ジャンルのあいだの均衡を攪乱することだ。
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文学の優位性を否定し、断片のエクリチュールにより文学の閾を超え、諸芸術の対等性へ。ビュトール流「旅学(イテロロジー)」は、言語からイメージへ、イメージから言語へと自由に行き来しながら創作゠批評を展開する。「絵画のなかの言葉」を皮切りに、絵画の文学性、文学の絵画性を交錯させる、絢爛たる論理の一大円舞。
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「彼(ビュトール)の言葉が達する領域は、バルトやリシャ―ルのそれに比較して、はるかに広く、いつか、思いもかけぬ時期に、モビールのようなフランス文学史ができあがっているかもしれない。」
【蓮實重彥「バルト・リシャ―ル・ビュトール」より】
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ヌーヴォー・ロマンを代表する前衛小説家として登場し、
批評家、《芸術家による挿絵本》の共作者として、
文学宇宙の境域を拡張していった20世紀フランス文学の巨人
ミシェル・ビュトール[Michel Butor 1926-2016]。
フランス文学を基軸に、文芸批評、創作技法、演劇、美術、音楽、読書と書物、旅と都市をめぐる文学的地理批評など、広汎な諸領域を境界侵犯しながら展開される、当代無比なる批評集『レペルトワール』。
各巻21篇、全5巻にわたり、美事に奏でられる批評の富饒なレパートリー。
〈ビュトール宇宙〉の集大成となる評論集が本邦初の完全訳、書籍化、原著刊行より60年を経て翻訳刊行開始!
■著者略歴
ミシェル・ビュトール(Michel Butor/1926-2016)
フランスの小説家、詩人、批評家。フランス北部モン゠ザン゠バルールで生まれる。ヌーヴォー・ロマン(Nouveau Roman)の作家の旗手のひとりと目される。1956年、小説第二作『時間割』(L’emploi du temps)でフェネオン賞(le Prix Fénéon)を受賞、翌年1957年第三作目の『心変わり』(La Modification)でルノドー賞(le Prix Théophraste Renaudot)を受賞し注目を集めた(主人公に二人称代名詞<vous>を採用した小説作品として有名)。1960年に四作目の『段階』(Degrés)を発表後は小説作品から離れ、1962年『モビール──アメリカ合衆国再現の習作』(Mobile. Étude pour une représentation des États-Unis)を皮切りに空間詩とよばれる作品を次々と発表し始める。画家とのコラボレーション作品は数多く、書物を利用した表現の可能性を追求し続けた。文学をはじめ絵画、音楽などを論じた評論集『レペルトワールI〜V』(本書を含む全五巻で完結)がある。
■翻訳者
石橋正孝[監訳]
荒原邦博|岩下綾|上杉誠|小川美登里|笠間直穂子|倉方健作|三枝大修|篠原洋治|田中琢三|福田桃子|堀容子|三ツ堀広一郎[訳]
監訳者および各翻訳者の略歴はこちら
https://genkishobou.stores.jp/news/63848f0d4b083901e3305eb1
■目次
旅とエクリチュール
絵画のなかの言葉
ヴィヨンの韻律法
ヒエログリフとサイコロ
フーリエにおける女性的なもの
螺旋をなす七つの大罪
ボードレール小品(オプスクルム・ボードレリアヌム)
短編映画ロートレアモン
実験小説家エミール・ゾラと青い炎
ジルベール・ル・モーヴェの七人の女 もうひとつの七面体
百頭女の語ること
変容
陰険な者たちのパレード
ちょっとした合図
モデルの深淵で
魅惑する女(ひと)
流行(モード)と現代人(モデルヌ)
臣従の誓い
私の顔について
タイプライター礼賛
今日、あれこれと本をめぐって
註
初出一覧
解題───石橋正孝
■書誌情報
判型/総ページ A5上製/544ページ
刊行年月 2021年12月
ISBN 978-4-86488-312-2
■全巻購入者特典の詳細はこちら
https://genkishobou.stores.jp/news/63848d87ba62e06677927958