ミシェル・ビュトール コレクション『レペルトワール 』(全5巻)全巻購入者特典
◎ミシェル・ビュトール コレクション『レペルトワール 』(全5巻)全巻購入者特典Itérologie butorienne(ビュトールの旅学)
A5判 予定96頁
全巻完結後、各巻オビ袖に「応募券」を付し、全巻分を小社にお送りの方に小社より直接、進呈します。
■『Itérologie butorienne(ビュトールの旅学)』収録予定作品
・『イリュストラシオン I』より
「会話──アレッサンドロ・マニャスコの作品について」「サン・ラザール駅──ジャン゠ピエール・シャルボニエの写真について」
・『土地の精霊』より
「……を眺めて(マリア、マントヴァ、フェラーラ)」
・『モビール──アメリカ合衆国再現の習作』より
「序章」
・『サン・マルコ大聖堂の描写』より
「第一章 ファサード」
■詳細情報
Illustrations I (1964)より
La Conversation : sur quelques tableaux d’Alessandro Magnasco
La gare Saint-Lazarre : sur des photographies de Jean-Pierre Charbonnier
絵画作品や写真など、視覚芸術との「共作」の結果として生み出されたリーヴル・ダルティストから、ビュトールが自身によるテクストだけを独立させ、それらを書物にまとめたシリーズ〈イリュストラシオン〉の第一巻(1964年)より、短編小説としても読める二編を紹介する。「会話」は巻頭に置かれた作品で、イタリアの画家アレッサンドロ・マニャスコ(1667-1749)の作品数点に想を得ている。「サン・ラザール駅」は、発表当時パリ最大の旅客量を誇っていた駅を舞台に、その朝から晩までの人々の動きを、何者かの内的独白と群衆の中を飛び交う会話の断片を交錯させて描き出す。
Le Génie du lieu I (1958)より
En vue de…(Mallia, Mantoue, Ferrare)
ビュトール作品の中核を占める連作〈土地の精霊〉第一巻は、集団的作品としての土地を対象とした一連の文芸批評を集めている。そのうち、三つの都市(クレタ島のマリア、マントヴァ、フェラーラ)を扱った短いテクストを集めた「……を眺めて」と題された章を全訳してお届けする。
Mobile : étude pour une représentation des États-Unis (1960)より
序章
1960年のアメリカ合衆国滞在の結果、「小説」というジャンルが内破して生じた未聞の文字空間、それが大作『モビール──アメリカ合衆国再現の習作』である。真にビュトール的作品の誕生を告げるこの記念碑的作品の序章は、アメリカの空間の広大さを印象的に描き出し、幕開けにふさわしい。
Description de San Marco (1963)より
I Façade
ヴェネツィアの中心であるサン・マルコ大聖堂を言語によって再現しようとした『サン・マルコ大聖堂の描写』は、この名所を訪れる観光客たちの誰もが口にして不思議ではない台詞の数々、聖堂をめぐりながら描写していく一人称のナレーション、聖堂中に刻まれた文字や数々の芸術作品の描写を、字下げを変えて互い違いに組み合わせる。聖堂に足を踏み入れる前の第一章「ファサード」をお読みいただく。