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ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集 / ラウパッハ、シュピンドラー 他

4,620円

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森口大地=編訳 ルリユール叢書 ———————————————— あそこに座っているのは、生命の花が咲き誇っていた時のアンジェロではなく、死の床にあった彼、私が二度も棺にいるのを見た彼と同じなのです。 ———————————————— ポリドリ『ヴァンパイア』ブームのさなか、1820~30年代にかけて発表された、ラウパッハ『死者を起こすなかれ』、シュピンドラー『ヴァンパイアの花嫁』など怪縁が織りなすドイツ・ヴァンパイア文学傑作短編集。本邦初訳。ヴァンパイア学者が詳述する訳者解題「ヴァンパイア文学のネットワーク」を併録。 すなわち吸血鬼は死と生との世界に同時に住み、両界を自在に往還するすべを心得た二重存在なのである。彼は重い棺のなかに閉じ込められているが、夜になると生ける者のようにさまよい歩き、夜が白むのと同時にふたたび墓の下に舞い戻る。死の国の住人でありながら、生きた人間の仮面をかぶって生の世界に闖入してくる能力を備えているのである。――種村季弘 人間の本質の奥深くに根ざすヴァンパイアへの怖れは、しきりに村落や地方をまるごと脅かしてきたが、教養ある人々は民間にはびこるこの病に格別の注意を払わなかった。しかし、それも、恐怖の荒波がやがて高潮となり、遠く離れた人々の目にも無視できなくなるまでのことだったのだ。――シュテファン・ホック ■著者略歴 エルンスト・ラウパッハ(Ernst Raupach 1784–1852) 1784年にシュレージエンのシュトラウピッツにある牧師の家に生まれる。ハレ大学で神学を学んだ後、兄のいるペテルブルクに移り創作を始める。さる侯爵家の家庭教師を務めるかたわら、大学教授としての業務に追われるが、外国人排斥運動を受けてドイツに戻る。宮廷顧問官のとりなしでベルリンの劇場に腰を落ち着け、1852年に死亡するまで創作を続ける。 カール・シュピンドラー(Karl Spindler 1796–1855) 1796年にブレスラウの音楽教師の家に生まれる。父の仕事の関係でストラスブールに移住するが、フランス軍侵攻を受けてアウクスブルクに逃れる。演劇にのめり込み、十年ほど旅芸人の下働きをした後、スイスで作家として生計を立てようとする。最初はうまくいかず、生活のために数々の作品を発表した。32年にバーデン゠バーデンに移住し、1855年に当地で死亡。 ゴットフリート・ペーター・ラウシュニク(Gottfried Peter Rauschnik 1778–1833/35?) 1778年にケーニヒスベルクに生まれる。Ph. Rosenwall名義で風俗旅行記などを出版。オランダやドイツのライン地方、スイスなどを周遊した後にいくつかの雑誌・新聞を編集。最終的にライプツィヒに移り住み、当地で1833/35?に死亡。 ヨーゼフ・エマニュエル・ヒルシャー(Joseph Emanuel Hilscher 1806–37) 1806年にチェコのリトムニェジツェに生まれる。軍学校に入り、教師の影響で文学に親しむ一方で、軍人としても出世し、最終的には宮廷勤めを果たす。しかし、1837年にミラノで病死。生前に出版された作品は少ないが、後にその詩や翻訳が編集され出版されるようになる。また、死後四半世紀ほどして記念碑も建立された。 カール・イジドーア・ベック(Karl Isidor Beck 1817–79) 1817年に、ハンガリーのバヤに住むイスラエル人の両親のもとに生まれる。ウィーンで医学を学んだ後、メッテルニヒ体制の検閲を逃れてライプツィヒに移り、「若きドイツ派」のグスタフ・キューネと親交を結び、文学の道に入る。『鉄道』という詩で有名になった後、ニコラウス・レーナウなど数々の人物と交流する。脳炎によって、ウィーンの病院で1879年に死亡。 ルドルフ・ヒルシュ(Rudolph Hirsch 1816–72) 1816年にモラヴィアのナパイェドラで、伯爵家の法律顧問をしていた経済学者でもある父のもとに生まれ、後にチェコのブルノに移る。ウィーンで法律を学んだ後、ブルノの市役所に勤め、そこでヴィーザーと知りあう。幼い頃から音楽への情熱を育んでおり、市役所での仕事に嫌気がさしてライプツィヒに移る。後にトリエステやウィーンで重役に就くが、余暇には趣味の音楽や文学に時間を費やし、創作を続ける。1872年にウィーンで死亡。 ヨーゼフ・リッター・ヴィーザー・フォン・メーレンハイム(Joseph Ritter Wieser von Mährenheim 1813–86) 1813年にチェコのブルノで商人の父のもとに生まれる。オルミュッツの大学で法学を学び、地元ブルノの市役所に勤める。ヒルシュとの共作後は、彼と違ってそのまま地元に留まり、仕事のかたわら創作を続けている。1886年にブルノで死亡。 フランツ・ゼーラフ・クリスマー(Franz Seraph Chrismar 生歿年不詳) 詳細は不明。ペシュト在住であったと考えられる。東欧・南欧を巡る旅行記をいくつか残している。 ■訳者略歴 森口大地(もりぐち・だいち) 1990年生まれ。ヴァンパイア学者(ヴァンピロロジスト)。京都大学文学研究科博士後期課程修了後、『ドイツ語圏を中心とした初期ヴァンパイア文学史――セルビアの事件からルスヴン卿の後継者まで』で京都大学博士号(文学)を取得。現在、関西学院大学ほか非常勤講師。専門はヴァンパイア学(ヴァンピロロジー)。主に18~19世紀のヴァンパイア史、ヴァンパイアを題材にした史料・文学テクストや論文。業績と連絡先についてはリサーチマップを参照(https://researchmap.jp/vampirforscher)。 ■目次  死人花嫁  ゴットフリート・ペーター・ラウシュニク  死者を起こすなかれ  エルンスト・ラウパッハ  ヴァンパイアの花嫁  カール・シュピンドラー  ヴァンパイア アルスキルトの伝説  J・E・H  狂想曲――ヴァンパイア  イジドーア  ヴァンパイアとの駆け落ち  ヒルシュとヴィーザー  ヴァンパイア ワラキア怪奇譚  F・S・クリスマー    註    ヴァンパイア関係事項年譜    訳者解題 ヴァンパイア文学のネットワーク ■書誌情報 判型/総ページ 四六変上製/464ページ 刊行年月 2024年1月 ISBN 978-4-86488-292-7

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