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人生と夢と / メアリー・コラム

8,360円

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多田稔=監訳 三神弘子・小林広直=訳 ———————————————— 通俗的だと見なされる本でも読むことに何らかの価値があるという確信が変わることはない。それは、人々の夢を理解するのに役立つのである。ここで言う夢とは、目覚めているときに、私たちの内部で絶えず息づく精神性のことを指している。そのような人生における夢とは、決して止むことなく、我々が皆行うことや考えることを支え、互いに分かち合うことのできるものなのである。 「英語で文芸批評を行う、数少ない本物の批評家」――ユージン・オニール 「メアリー・M・コラムがアメリカにおける最上の女性批評家であることは、誰もが認めることである」――ウィリアム・ローズ・ベネー ———————————————— 1920~50年代、アメリカの文芸誌、新聞に160篇をも超える文芸評論や書評を寄せ、〈アメリカにおける最上の女性批評家〉と称されたアイルランド出身の作家メアリー・コラム。文芸復興運動の渦中にあったダブリンで出会い、文学の〈師〉と仰いだ詩人W・B・イェイツとの友情。英国から独立する契機ともなったイースター蜂起の首領たちとの親交。詩人E・ワイリーやH・クレイン、T・S・エリオットとの交流、パリ滞在で旧交を温めたジェイムズ・ジョイス一家との付き合い……〈人びとのささやかな夢〉を活写し、20世紀初頭のアイルランド文学史を裏書きする文学的自伝・回想録。本邦初訳。 ■著者略歴 メアリー・コラム(Mary Colum, 1884-1957)  アイルランド、スライゴー生まれ。旧姓マガイヤー。モナハン州の聖ルイ修道院寄宿学校を経て、ダブリン王立大学(現在のUniversity College Dublin)に進学、文芸復興期の熱気の中で青春時代を送り、1909年に文学学士号を取得。その後、パトリック・ピアスが経営する女子校の聖イタで教鞭を執った。1912年に結婚したポーリック・コラムと共に、1914年に渡米。1920年代以降は、アメリカを中心に、文芸誌や新聞の書評欄に160篇を超える文芸批評や書評を寄稿。本書を含む三冊の著書を残した。最初の著書である評論From These Roots: The Ideas That Have Made Modern Literature (1937)は、『伝統と始祖たち――近代文学を造った諸思想』として、増野正衞氏と本書監訳者多田稔との共訳により、あぽろん社から出版されている(1994年)。また、夫ポーリックとの共著、Our Friend James Joyce(1957)は、彼女の死後、ポーリックの手により完成された。夫妻は共にニューヨークで死去したが、現在、共にダブリンのサットンにある聖フィンタン墓地に眠っている。 ■監訳者略歴 多田稔(ただ・みのる) 元大谷大学教授、帯広大谷短期大学学長(2002年~08年)。1931年広島生まれ。京都大学文学部(英文専攻)旧制卒業。カリフォルニア大学客員教授、京都工業繊維大学工芸学部教授を経て、1984年より大谷大学文学部(英文)教授。大学院文学研究科長を務めた。1995年米国セント・オラフ大学より、人文学博士号を授与される。著書に『仏教東漸――太平洋を渡った仏教』(禅文化研究所)。訳書に『イギリス美術史』(岩崎美術社)。共訳にリンダ・バリー『ウィリアム・モリス』(河出書房新社)、メアリ・M・コラム『伝統と始祖たち――近代文学を造った諸思想』(あぽろん社)、ジョージ・メレディス『リチャード・フィーバレルの試練』(英潮社)、ジリアン・ネーラー編『ウィリアム・モリス』(講談社)、リンダ・バリー『ウィリアム・モリスのテキスタイル』(岩崎美術社)、ハーバート・リード『今日の美術』、『若い画家への手紙』(以上、新潮社)など。 ■訳者略歴 三神弘子(みかみ・ひろこ) 早稲田大学国際教養学部教授。1954年松山生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院研究科修士課程修了、Trinity College Dublin(Postgraduate Diploma)、アルスター大学大学院博士課程修了(PhD)。大谷大学特別研究員、立正大学助教授、早稲田大学政治経済学部教授を経て、2004年より現職。著書にFrank McGuinness and His Theatre of Paradox (Colin Smythe)、共著に『文学都市ダブリン―ゆかりの文学者たち』(春風社)、『アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために』(世界思想社)など。編著書にIrish Theatre and Its Soundscapes (Glasnevin Publishing)、Ireland on Stage: Beckett and After (Carysfort Press)。共訳に『トマス・マーフィー I・II』『ブライアン・フリール』『トマス・キルロイ』『フランク・マクギネス』(以上、『現代アイルランド演劇1~5』、新水社)など。 小林広直(こばやし・ひろなお) 東洋学園大学グローバル・コミュニケーション学部准教授。1983年埼玉生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程、University College Dublin修士課程(Anglo-Irish Literature and Drama)、早稲田大学文学研究科博士課程修了。博士(英文学)。早稲田大学文学学術院英文学コース助手、日本学術振興会特別研究員PD、東洋学園大学専任講師を経て、2021年より現職。共著に『ジョイスの罠――『ダブリナーズ』に嵌る方法』、『ジョイスの迷宮―― 『若き日の芸術家の肖像』に嵌る方法』、『ジョイスの挑戦 ――『ユリシーズ』に嵌る方法』(以上、言叢社)、『幻想と怪奇の英文学 4』(春風社)など。 ■目次   図版一覧 第 一 章 子ども時代 第 二 章 寄宿学校の日々 第 三 章 昔ながらの教育 第 四 章 隣人たち 第 五 章 旅の楽士たち、バラッドの歌い手たち、放浪する人々 第 六 章 人々と土地 第 七 章 田舎の暮らし 第 八 章 大学に進学する 第 九 章 初期のアビー・シアター 第 十 章 国の目覚め 第 十一 章 アビー・シアターのレディ・グレゴリー 第 十二 章 私の知っているイェイツ 第 十三 章 「ホメロスが歌った女性」 第 十四 章 パトリック・ピアスと共に働く 第 十五 章 A・E、シガーソン博士、セアラ・パーサー 第 十六 章 結婚、そしてサー・ロジャー・ケイスメントとW・S・ブラント 第 十七 章 出発 第 十八 章 アメリカでの最初の数週間 第 十九 章 みすぼらしいビークマン・プレイスのアパート 第 二十 章 シカゴ 一九一五年 第 二十一 章 フランス人が営む下宿屋―アイルランドの反乱 第 二十二 章 生活費を稼ぐ 第 二十三 章 詩人たち、そして彼らの葛藤 第 二十四 章 アメリカで暮らす一人のフランス人作家 第 二十五 章 アイルランドに帰る 第 二十六 章 ロンドンのボヘミアン社会 第 二十七 章 様変わりしたヨーロッパ 第 二十八 章 ハワイでの幕間 第 二十九 章 エリノア・ワイリー 第 三十 章 コネティカットでの仮住まい 第 三十一 章 エリノア・ワイリーの死 第 三十二 章 文芸批評家 第 三十三 章 パリでの生活 第 三十四 章 グッゲンハイム奨学金 第 三十五 章 リヴィエラの暮らし―アメリカへの帰還 第 三十六 章 出発にまつわる障碍 第 三十七 章 不穏なヨーロッパ 第 三十八 章 ホワイトハウスの昼食会 第 三十九 章 戦争への序曲   註   訳者あとがき   索引 ■書誌情報 判型/総ページ A5判上製/720ページ 刊行年月 2025年3月 ISBN 978-4-86488-320-7

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